ゼンタイパワード

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【超雑感】映画『ブラックアダム』

監督:ジャウム・コレット=セラ

脚本:アダム・スティキエル ほか

2022年12月2日公開 124分

2022年10月26日、試写にて鑑賞


※感想後半のネタバレ部分には注釈があります

 

 

5000年前……暴王の圧政に耐えかねた民衆の中から、立ち向かう者が現れた。神秘の力を手に入れた超人テス・アダム(ドウェイン・ジョンソン)は王を打倒するものの、長き眠りにつくこととなる。盗掘者たちに追い込まれたアドリアナ・トマズ教授(サラ・シャヒ)によって現代に甦ったアダムは彼女を危機から救うが、彼の存在を危険視したヒーローチーム"ジャスティス・ソサエティ"が派遣され……


ギャ〜〜〜〜面白かった!!!!


・我らがロック様ことドウェイン・ジョンソンが演じるキケンなアンチヒーロー・ブラックアダムがまずサイコー。飛びまくり投げまくりな超人アクションも見やすいしカッコイイ。


・"ヒーローが当たり前に存在する世界"……という ユニバースもの、というか 世界観の土壌作りは、DC……かなり上手くやったんじゃあないか!?


・「バットマンかよ」「スーパーマン呼ぶか?」とかとか バンバン言わせちゃえるのは強いぜ。


・予告編にもヴィオラ・デイヴィス演じるアマンダ・ウォラー(スーサイド・スクワッドの司令官ね)が登場することからもわかる通り、本作もDCUの同一世界観上のシリーズ。


・DCEU(エクステンデッド・ユニバース)?DCU?なんかまだ表記が揺れてるけどDCUに統一……された……っぽい。たぶん。


・このアマンダ・ウォラーがイイんですよね。まずヴィオラ・デイヴィスのビジュアルと雰囲気がピッタリ!!


・立ち位置的にも、この人がいろいろ封印したりしてるんだろうな〜……とか 逆にメジャーヒーローが動くと事が大きくなりすぎるから秘匿しまくってるんだろうな〜……とか 想像の余地が広がることで、ユニバース自体の(作品作りの)自由度を大いに拡張してる存在だと思う。


・ユニバース初登場となるヒーローチーム・JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)のヒーローたちも魅力的。


・歴戦の猛者でありながら未来視の能力に疲弊して一線を退いたドクター・フェイトに、有り余る富を秩序と平和のために使いつつ……その責任感の強さから孤独を抱えるホークマン


・この二人のベテランヒーローに加えて、年若い新世代ヒーローとして巨大化青年アトム・スマッシャー(二代目)、風を操る天才少女サイクロンの四人。


・コミックにおけるJSAも、世界最初期のヒーローチームでありつつ……このチームといえばこのメンバー、みたいな固定観念もそれほど濃くないイメージで、今回メインに抜擢されたのも良いチョイス。


・大好きなドラマ版DCユニバース(アローバース)にも、全然別のメンバー構成でクラシックなチームとして登場してました。


・いかめしい名前がまた良いんですよね。「そこを動くな!我々はジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカだ!」言ってみた〜〜い。


・『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』とかにも顕著だけど、DCUはキャラクターの出し方に ある種の割り切りというか……コミックに囚われすぎず、一番オイシイとこをポンポン見せて「ハイ こういう感じのキャラで〜す!」って(いい意味で)乱発させるのを上手くやる印象ですね。


・まあ デコボコメンバーのチームアップが結局一番面白いし。『ザ・スースク』だけじゃなくてドラマの『ピースメイカー』もそんな感じでサイコ〜でした。まだ観てない人いたら……ぜひ観て!!!

 

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・あと『ピースメイカー』の紹介&感想は、ネットラジオでしゃべってます。こちらもよろしくどうぞ。

 

 

・こういったキャラクターの配置の上手さに加えて、ジェットコースターみたいな緩急のつけ方!安心してロック様に乗っかれる、楽しいヒーローアクション映画でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜以下、ネタバレがあります〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予告で「息子が犠牲になった」言うてもうてるやんけ〜〜〜〜!!!!

 


・コレに関しては日本の予告が…‥とかじゃなくて、原語版の予告編から言っちゃってる。ど ど どういう神経してんだ!?

 


・そもそもブラックアダムはシャザムのライバルキャラクターなんだけど、日本では『シャザム!』の関連作であることは(少なくともオフィシャルでは)伏せられてて、そこはかなり好印象。初見層を取り込みたいってのもあるのかな?公開後にはシャザムと絡めてくるのかも。


・観た人の心の動きとしては……「シャザムってたしか子供からムキムキ大人に変身するやつだよな」「で コイツも同じシステムなんだな」っていうことで「あの少年がブラックアダムになってるんだ!でもなんか違和感が……?」→「お父さんの方やったんか〜〜い!」っていうミスリード(映画本編では)想定されてると思うんだけど……


・な〜んで予告で言っちゃうかなあ。

 

・正直マジで今回は『シャザム!』から切り離してオリジナル展開にするのかな〜?くらいの情報で(予告もほぼ見ず)観に行ったから、冒頭で「S-H-A-Z-A-M!」が唱えられた瞬間から大興奮だったんですよね。


・ていうかあの場面、超カッコイイのにナレーションが重なっててよく聞こえないのはちょっとどうよ。


・それはそうとスーパーマン/ヘンリー・カヴィル登場のネタバレは踏んじゃってました。ワッハッハ。


・まあ……本国公開と同時に、役者も言っちゃうよねカヴィル本人のインスタで食らいました)


・あのシーンのスーパーマン、「カメオ出演です!!!!」って感じのセリフで笑っちゃった。なんだっけ「世界をこれほど混乱に陥れるとは……」みたいな。他と比べたらそんなでもないやろ。


・サプライズで言うと、『ザ・スースク』『ピースメイカー』から引き続いてのエミリア・ハーコート登場もアガったな〜。アダムを海底基地に封印するシーンね。


・なんかあれくらいの……別にハーコートのこと知らなくても全然通るカメオ出演、お上品でイイですよね。


・ハーコートを演じてるジェニファー・ホランドがジェームズ・ガンと近しいから(ご結婚おめでとうございます)ってのもあるのかな?


・今回登場したJSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)、特に映画前半では まあ明確に超大国としてのアメリカの傲慢さを象徴する存在として描かれてるワケなんですけども、本編だとずっとジャスティス・ソサエティ呼びなんですよね。ここはぜひ"オブ・アメリカ"をつけてほしかったところ。


・あのジャスティス・リーグも元々"ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ"だったのが実質的に取れてJLになった、けどJSAはJS"A"である……っていう対比にこそ意味がある、と思う部分もあるので。


・なんか文句ばっか言ってるけど、スゲ〜良かったからこそ細かいトコにケチつけちゃうタチなので……スミマセン……基本はスゲ〜〜良かったんです……


・良かった点だと、まあもう みんなドクター・フェイト好きになりますよね。ピアース・ブロスナンの好演もイイ。おじいちゃんヒーローってあんまいないし。


・映画以前からドクター・フェイトのデザインがも〜〜〜〜大好きで。のっぺりしててちょっと怖いじゃないですか?あの超然的な感じもイイ。


・映画版では兜が大胆にアシンメトリーなデザインになったのも良アレンジ。『仮面ライダーW』のユートピア・ドーパントみたいなね。


・でもやっぱり、この映画の白眉は……玉座をブチ壊した時かな〜!

 

「俺の望む世界には 王も兵士もいらん」

 

──仮面ライダーV3/風見志郎、

『仮面ライダーSPIRITS』1巻より


・あれ、あそこで玉座にドーンと座ってても……それはそれでカッコイイんだけどね。ブラックアダムといえば玉座だし、今回の映画でも座ってるビジュアルとか多々あるし。


・でもやっぱり、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でも(アレはアレで全然アリなんだけど)王の存在、すなわち専制君主制、の否定までは盛り込まなかったところを……やっぱり今回、スカッとはしたよ。ウン。


・欲を言えば……こういう役どころとして描くのであれば……ブラックアダム役がエジプトにルーツをもつ俳優であればな、とは、ちょっと思いました。


・阿部寛がローマ人を演じるみたいな。アレもまあ……マイノリティの表象を模倣してる、とは言い切れないけど……今やるとしたら再考されて然るべきものだとは思う。


・『ムーンナイト』で"エジプト人のスーパーヒーロー"が誕生した点を鑑みても……う〜ん やっぱちょっと危うくない?とは思っちゃうかな〜。

 


・ていうか…………

 

 

・シャ……シャ…………

 

 

シャザムポーズだ…………

 

 

 

 

※シャザムポーズとは……

2019年『シャザム!』公開当時、国内の宣伝で多用された三角形のハンドサイン。主演のザッカリー・リーヴァイがインタビュー時に用いたボディランゲージが誇張されて解釈されたものと推測されたが、真偽は不明のまま。

 

 

 

 

どんなミラクルも起き放題かよ。